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断熱屋のぼやき

JBN北米住宅産業研修ツアー②

断熱屋のぼやき

2日目
「米国の住宅ローンの経済実態を理解する」
元Home Street Bank の副社長Bruce hardy 氏の講義です。

彼は27年間住宅金融の仕事に携わってきた。
サブプライム問題と言われる米国の経済破綻の原因は色々あるが、実はサブプライムローンに関連することが起因ではなく、主たる起因は、「住宅業界の規制が緩くなったことが一番の原因」とのこと。
住宅ローンというものはとても銀行にとって儲かるもので、銀行にとって商品はお金だけなので大変競争が激しく、差別化が難しい。そのため競争が激しくなり、どんどん簡単に借りれるようになり、その結果、投資目的が増えていった。最後には借りるために必要だった所得証明も必要なくなっていった。
また買った住宅の125%もの価値を銀行が認めるようになってしまったので、購入した家を担保に次の投資や、住宅以外の購入(車や家具など)をするようになりバブルが膨らんでいったのが真相との事。土地も建築費もどんどん値上がりつづけ、住宅購入に必要な頭金もどんどん少なくなっていき普通では住宅を買えない人まで、不動産投機に走り、2005年には、家の販売の30~40%が投資対象だった。しかし、膨らんだバブルが一旦値下がり始めるとローンのキャンセルが増え、通常なら頭金があるのでそれで処理ができる所が頭金の支払いが少ないこともあって、債券の放棄が続出した。法律的も支払ができなくなっても購入した家自体を放棄すればよく、家を担保に借りたお金で購入した車などの動産は取れることはない。言ってみれば、「借り得」だったよう。銀行はお金ではなく物(家)で返されることになったので、大量の住宅が銀行にストックされるようになり、ついには破綻へといたった。
アメリカではこのようにローンが払えなくなっても、法律的には家を手放すだけでよく、日本のように個人破産したり、生命保険をあてにして自殺したりする必要が無いことがシステムとして特徴的である。
「建築業者への支払とインスペクション・銀行の関係の関係を理解する」
引き続きBruce hardy 氏
今後の建築関連のローンについては「高額のカスタムハウス(注文住宅)」への貸し出しを中心に考えているそうです。もう宅地開発での販売は望めないので、確かな回収先であり、利益率の高い注文住宅が注目されているとのこと。この場合ローンは建築主がくむことになり(リスクが低い)、銀行自体がインスペクション(調査)を行う。銀行は現場に月に一度は足を運び、工程と適切な材料と工法がなされているか確認している。資材の価格も銀行が把握しており、建築会社は納期までに完成させることが仕事でまさにマネージメントや工程管理のみを行いフィーもそれがすべて。資材費・労務費などすべてオープンで、日本のようにそこに利益は乗らない。(=日本のように大量に買うから資材が安く買えるといった土壌はあまり無い。)銀行は確実に下請け業者に支払われたことを確認してから、工務店に施主の借り入れた工事費を支払っているとのこと。
「NAHB(NATIONAL ASSOCIATION OF HOME BUILDERS)の理解」
NAHBオレゴン州代表 Jon Chandler氏の講義。
NAHBは全米に800の下部組織を従え、17万5千人州ごとに支部がある。1942年に創立した際は、300人のメンバーによる11都市の組織だったが、2005年の最盛期には23万人の構成となった。今回の参加団体である全建連は、日本でのNAHBを目指しており、NAHBの現状を知っておくことは重要。NAHBは国の建築基準や公共的なこと・政策へ影響力を行使し時には政治的なロビー活動も行う。また建設業の社会的地位向上も大きな目的。また、NAHB加入のメリットは保険やガソリン電話などスケールを活かした様々なメリットがある。州によってサービスはかなり違いがあるようです。
以上内容の濃い2日目でした....

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