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断熱屋のぼやき

JBN北米住宅産業研修ツアー④

断熱屋のぼやき

4日目です
「建築法規上のインスペクション」 オレゴン州セーラム市の住宅安全検査局の責任者であるTom J. Phillips氏より、インスペクト(公的現場検査)のシステムについて講義。
日本と同様、アメリカでも大きな災害が起きるたびに基準が見直されているようです。現在の基準は1994年のICC(International Code Conference)がベース。
アメリカの建築基準は、ICCで定めた基準が一番厳しくて、各州ごとにICCのどの部分を運用するか州ごとに基準がある。最近、ICCで住宅にもスプリンクラーの設置の基準が定められたそうだが、オレゴン州ではこの基準の採択を見送ることになるようです。 そして、インスペクターになるには厳しい講習と研修、試験が必要で、特に商業建築系(非住宅)の電気・配管設備の検査官は4年間学校に通い、テストにパスしないとインスペクターになれないとの事。かなり厳しいようです。住宅の場合は1年間のクロストレーニングと4時間のテストでなれるとの事。いずれにしてもインスペクターは現場を知っている人間がやっていることが特徴的で日本とは大違いです。
また、面白いのは歴史的建築物や町並みについては外観も重要視されており、審査がある。その評価は選出された委員が行うとの事。
また、セーラム市ではビルダー(工務店)はお客さんという考え方を持っており、常にメリットがあるように改善しているとの事。例えば、Money Back Garanteeというのがあり、図面審査の提出を受けてから10日間以内で出来なければ、検査費用を全額返金するルールがあるとのこと。日本とは大きな違い。これは確認申請の審査期間がはっきりすれば、その後のビルダーがスケジュールを立てやすいだろうという配慮からなされているとのこと。ちなみにこの制度はセーラム市だけのサービスで地域によって様々な特徴が出ているようです。これからの日本にも是非必要な考え方なんではないかと思いました。    
午後からは、材木屋さんのPPR Lumber社を訪問。


建材のほとんどを扱っています。
住宅部門セールスのTami Baker氏から、Take Offについて説明。このテイクオフというのは、工務店から送られてきた図面を元に、使用する材料の数量を積算し、指定の時間と場所にデリバリーを行う。ビルダーではなく建材屋さんが行っている。レジェンドホームズは大きい会社なので、サッシなどは含まないが、大抵はお風呂や洗面器以外のほとんどすべての建築材料は、建材屋さんが積算し現場に搬入するとのこと。昨日のレジェンドホームズの大きな現場のマネージャー(現場監督)がたった一人で行える理由がここにあった。2×4のシンプルな作り方が、このように誰が拾っても同じ結果になる事がポイント。同じ工法で、規格された材料を使って仕上げるからできる事で、その結果どの家も似たような家になってしまうこともわかります。
写真のように邸別に必要な部材をまとめて集積して配送をするとの事。
このトラックでデリバリー。トラックの後ろを見ると、フォークリフトが付いてる。現場へのデリバリーにはフォークリフトごと行って、フォークリフトで現場に荷卸しするそうです。通常ひとつの現場で5回程度のデリバリー。一回の配達の量が多いから少なくすんでいるとのこと。
最後に店内を見学。ほとんどホームセンターと同じで、窓から構造金物まであらゆるものが売っていました。
「大型ホームセンターのThe Home Depot視察」
DIYだけでなく、小さなビルダーはここで建材を仕入れるよう。価格も日本に比べると格段に安いみたいです。
また、2500ドル以上の買い物をする場合別見積もりを取って価格交渉ができる。 物によっては無料でデリバリーもしてくれるが、屋根材等デリバリーフィーがかかるものもある。
電気設備も完全にプロ用。 シンクも非常に安く20ドルでステンレスシンクが買えます。 サッシ、扉、ユニットバス、便器などあらゆるものが売られており「アメリカの住宅はDIYの延長上にある」ということがよくわかりました。
4日目は以上です。

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