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セルロースファイバーとアスベストは違うのか?

住宅や建築業界で断熱材や吹き付け材として使われる材料にはさまざまな種類があります。中でもセルロースファイバーとアスベストは見た目がよく似ているため、あまり知らない方はこれが同一のものであると誤解することがあります。しかし、これらの材料はまったく異なる性質や健康への影響を持っています。こちらのコラムでは、セルロースファイバーとアスベストの違いについて詳しく説明し、それぞれの特性や安全性について説明します。

 

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セルロースファイバーとは?

セルロースファイバーは、主成分として新聞紙の古紙を綿状に破砕しリサイクルしたものから作られる断熱材の一種です。新聞紙に使用されているインクに対して懸念する声も昔はありましたが、新聞紙には主に大豆を主成分とする植物性インクが使用されています。そのため、新聞紙由来のセルロースファイバーを使用しても、安全性についての懸念はほとんどありません。セルロースファイバーは、製造エネルギーも他断熱材と比較して非常に少ないため環境に優しく、断熱性能や防音性能、吸放湿性に優れています。また、セルロースファイバーに混ぜられる添加物として、天然由来のホウ酸や撥水材(動物油脂由来)が使用されますが、これらも安全性に配慮した素材ですのでシックハウス症候群の心配もありません。

 

アスベストとは?

一方、アスベストとはかつて広く建築業界で使用されましたが、その後有害性が明らかになり、国内を含め現在多くの国で禁止または制限されている物質です。アスベストは繊維状の鉱物であり、その繊維が空気中に浮遊すると吸入された場合、健康に深刻なリスクをもたらすことが知られています。アスベストに曝露されることは肺がんや間皮腫などの呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があり、非常に危険な物質とされています。

 

セルロースファイバーとアスベストの主な違い

セルロースファイバーとアスベストの主な違いは以下の通りです。

 

①材料の起源

セルロースファイバーは再生紙から作られる天然繊維であり、持続可能な資源です。一方、アスベストは鉱物であり、地下から採掘されます。

②健康への影響

セルロースファイバーは人体の健康に対する有害な影響を持たず、安全に使用できます。アスベストは有害であり、呼吸器系の疾患と関連した健康リスクを引き起こす可能性が高いです。

③法的規制

多くの国でアスベストの使用は制限または禁止されており、厳格な法的規制が存在します。一方、セルロースファイバーは欧米・欧州諸国をはじめ世界中で使用されている断熱材です。

④用途

セルロースファイバーは断熱材として主に使用され、建築業界で広く採用されています。アスベストはかつて建築材料としても使用されましたが、現在ではほとんどの用途で禁止されています。

 

廃棄処分の問題も大きく違う

また、廃棄処分の問題もアスベストとセルロースファイバーで大きく異なります。アスベストの場合は、飛散防止対策を施した上で安定型最終処分場に埋め立てる、あるいは公的機関に認可を受けた中間処理場で特別な中間処理を行った上で安定型処分場に埋め立てなければなりません。そのため、かかる手間が煩雑で費用も高額となります。

一方で、セルロースファイバーは、アスベストと比較して廃棄処分が簡単で安全です。以下はセルロースファイバーの主な廃棄処分方法です。

 

①再利用またはリサイクル

リサイクル&リユース

セルロースファイバーは再生紙を主成分としており、環境に優しい材料です。例えばセルロースファイバーで断熱した家を建て壊し、そこに新築を建てる場合、建て壊した時に専用の機械で回収したセルロースファイバーを新築に再利用することが出来ます。(回収したセルロースファイバーをメーカーに送り品質検査をした結果、新品出荷時と同等の性能であることが確認されています)

 

 


②産業廃棄物として廃棄

セルロースファイバーの原材料は新聞紙なので一般的な産業廃棄物として処理することができ、特別な処分方法や専門家の必要はありません。また、吹き込み施工の場合はセルロースファイバーがついた木材や合板は簡単に落とせるのでそのまま木材として処分することが可能です。

 

まとめ

セルロースファイバーとアスベストはまったく異なる材料であり、特性や安全性において大きな違いがあります。そのため、セルロースファイバーで断熱した家は住む人にとっても健康的で安心・安全であるということができます。

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